記事一覧

1967年製のカルティエ ロンドン クラッシュが史上最高額のクラッシュとなった(2022年5月5日時点)

一体どこまで行けるものなのか?

時計オークションにおける記録は、技術的成果の記録(例えば世界最薄のトゥールビヨンなど)と異なり、かなり自在であり、例年であればスルーされていたようなロットが、今日では客観的属性と価格との合理的関連性を論じられないような、大きな金額で取引されることがある。ポール・ニューマン デイトナは、オークション結果をぶち上げるトレンドウォッチの申し子かもしれないが、2017年にポール・ニューマン自身のデイトナが1775万2500ドル(約20億円※当時のレート)で落札されて以来、他にも多くの例がある。そして、ステンレススティール製の高級スポーツウォッチは、ここ数年、多くの投資志向のコレクターにとって最重要だったが、より高騰の傾向があり、激しくトレンドとなっている新たな時計はカルティエのクラッシュなのだ。昨日(5月4日)、オンラインオークションサイト「Loupe This」にて、1967年製カルティエ ロンドン クラッシュが150万388ドル(約1億9590万円。バイヤーズプレミアムを除く)で落札され、これまでサザビーズが保持していた記録(1970年製 カルティエ ロンドン クラッシュが80万6500スイスフランで落札)を大きく上回わった。

このような極端な結果は、当然ながらソーシャルメディア、特にカルティエ愛好家の大規模で声高な、そして非常に知識の豊富なコミュニティであるInstagram上で堂々巡りの議論を引き起こした。クラッシュコレクターで有名なヴィンテージウォッチディーラーのエリック・クー(Eric Ku)は、InstagramのDMを通じてHODINKEEに「そうです、本物です...コレクターとそうでない人の両方から多大な関心が寄せられています」と、このロットの正当性を保証した。「最終的には2人のコレクター間で死闘が繰り広げられ、その結果には私も驚きました"」とコメントしている。

カルティエ タンク ソロ SM W5200013 シルバー文字盤 新品 腕時計 レディース

控えめで現代的なデザインが特徴の“タンク ソロ”は、発売からすぐに定番商品となりました。“タンク”特有のたぐいまれな美しさはそのままに、いつまでも飽きのこない魅力を持った、親しみやすいデザインです。

この時計に価値があるかのかという大きな疑問は、いくつかの要因によってあまり見通しがよくない。第一に、この時計は1967年のロンドン・クラッシュの初年度モデルのごく一部であり、寛大に見積もっても数十本も作られなかったロンドン・クラッシュの初年度モデルは、供給が非常に少ないのだ。(それはまた、特別な結果が出ても、それが必ずしも全体的な高騰につながるとは限らないことも覚えておくとよい。ポール・ニューマンのデイトナ(PND)の落札結果は、それの爆発的な収集という大きな背景がなければ、確かに起こらなかっただろうが、すべてのPNDが突然1700万ドルの時計になったというわけでもない)。そして、ヴィンテージ・カルティエがオークションでますます高い結果を出しているというより大きな背景がある。結局のところ、私たちはカルティエのペブルが50万ドルの時計である世界に住んでいるのだ。

通貨供給量の増加が確固たる資産クラスの価格に与える影響、そして1967年のロンドン・クラッシュの場合における非常に限られた供給量による影響について観察すべきだ。収集品の価格設定に関しては、需要と供給が支配的であるという事実があるのだ。今回の結果が示すように、記録を更新するのに必要なのは、ワインでも切手でも美術品でも同様だが、トロフィーとして認識されること、そして、欲しいものを手に入れることに慣れている、非常に懐の深いコレクターが2人いることだ。そのような場合、限界はない。クラッシュ・ウォッチの7桁ドルという価格は、今後も続くのだろうか。5月9日、クリスティーズで1990年のロンドン・クラッシュにハンマーで下ろされるとき、私たちはそれを知ることになるかもしれない。

必要な軍資金に近いものを持たない私たちにとって、哲学的な諦めが唯一の選択肢のようだ。コレクターであり、2016年、Talking Watchesに出演したRoni MadhvaniはInstagramで哀悼の意を表し、「...マイナス面は、このような価格設定は、チェッキングブックではない本物の情熱的なコレクターにとって、今回のような成層圏の価格レベルに達し始めた時計やヴィンテージ・カルティエは単に手が届かなくなり、それは悲しい...となることだ」と発言している。「それが現実だとわかってはいるものの、やはり悲しいことです」。


【関連記事】:2022年春夏も、まだまだ注目バッグです!